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【西表島】ヤシガニとは?人気ツアーもご紹介!

西表島のヤシガニについて

ヤシガニに出会えるツアーの詳細はこちら↓

 

絶滅危惧種のヤシガニとは?

西表島のヤシガニ

ヤシガニは、カニの中でも最大種として知られており、その大きさと独特な風貌から「海のギャング」や「ヤシの木の盗賊」などとも呼ばれています。
節足動物のオカヤドカリに所属する、陸生のヤドカリの仲間です。節足動物というのは昆虫やエビ・カニの仲間のことで、ヤシガニはその中でも最大級のサイズの生き物です。

甲羅の幅が最大で40cmにも達し、体重は4kgを超える個体もいるとされています。
日本では、沖縄県や奄美群島などの島々に生息し、特に西表島では多く見られます。ヤシガニは、雑食性で、果実、葉、動物の死骸など、様々なものを食べます。

夜行性で、昼間は岩陰や木の根元などに隠れており、夜になると活動を始めます。

太平洋の熱帯から亜熱帯の島々に生息しており、南太平洋の島々では貴重なタンパク源に。日本では、沖縄県の八重山地方に生息していますが、近年の護岸工事や埋め立てによって個体数が激減していて、絶滅危惧II類(VU)に指定されています。

絶滅危惧II類(VU)には、絶滅の危機に至っていないものの、危険が増大している生物が当てはまります。ヤシガニはヤドカリの仲間なのですが、貝殻の中をすみかにして、貝殻を背負って生活することはしません。なぜなら、体が大きすぎて、自分のサイズに合った貝殻が見つからないからです。でも、貝殻はいりません。なぜなら、体の表面を貝殻のように硬く変化させているからです。

オスは強大なはさみを持ち、それも必ず左側のはさみの方が大きいという特徴があります。脱皮をしますが、成長が遅いので、1年に1回程度の脱皮パターンで大きくなります。寿命は非常に長くて、50年程度と言われています。その名の通りヤシの実が好物で、強大なはさみを使ってヤシのかたい殻を割り、中に入っているおいしい実を食べるのです。基本的に雑食性で、果物から動物の死骸まで何でも食べます。

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西表島で見られるヤシガニの特徴とは?

西表島のヤシガニ

ヤシガニは寿命がない!?

巨大な体と、成長が遅くて寿命が長いため、不老不死伝説が流れたものと思われますが、ちゅら島財団の研究から、寿命が約50年ということが分かりました。
不老不死でなくて残念ですが、それでも一昔前の日本人の平均寿命まで生きるというのですから、驚きです。

 

ヤシガニの大きさは?

ヤシガニのサイズは小さいヤシガニですと手のひらに乗るほどですが、西表島に生息するヤシガニの場合、大きいもので脚を入れると1m近くになり、体重は4kgにも達するといわれています。陸上生活をする節足動物としては地球上でも最大種といわれています。

 

ヤシガニのハサミの力は?

硬いヤシの実を割ったり、外敵からの防御のために、ヤシガニは強力なはさみを持っています。おおよそ体重の90倍といわれています。そのパワーは、最大サイズの個体になると、ハサミの力は330㎏程となり、何とライオンの咬む力に匹敵するほどです。

 

ヤシガニは食べられる?

カニの仲間ですからもちろん食べられます。それも、料理店で、大型個体一匹1万円もするようなグルメ料理に変身したりもします。現地では、大きな鍋でボイルして真っ赤になったヤシガニを豪快にむしゃぶりつくという野趣溢れる食べ方をします。一方で、「ヤシガニを食べると危険」とも言われます。これは、ヤシガニの体内に、稀に、餌に入っていた毒が蓄積していることがあるからです。ヤシガニによる中毒という話もあります。ただ、離島の民宿などでヤシガニを食べて当たったという話は余り聞きませんが。

 

ヤシガニをペットにできる?

西表島のヤシガニと写真撮影する女の子

天然記念物のオカヤドカリは飼育が可能で、最近では、貝殻を背負った姿が可愛らしいとペッとして人気になっています。では、ヤシガニはペット化できるでしょうか?ほとんど不可能です。無事に捕獲できたとしてもどこで飼うか?

水の中の生き物ではないので、水槽では飼えません。屋内で大きなプラスチック容器内に入れておくと、いとも簡単に破壊し、逃走してしまいます。もっと大きくて堅牢な容器に入れたとしても、容器のヘリを乗り越えて逃走してしまいます。ということで、まずは飼育場所が見つからないのです。このほかにも、餌の問題や音の問題など飼育には障害が大きすぎます。

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【西表島】ナイトツアーの魅力とおすすめツアーご紹介!

 

ヤシガニを見る際の注意点

西表島のヤシガニツアーに参加したグループ

手を出さない

あの強大なはさみで挟まれたらひとたまりもありません。観光客は、むやみに手を出さない方が無難。
でも、どうしてもつかみたいという好奇心旺盛な方は、ハサミとハサミの間の胴体を、そう、カブトムシをつかむときの要領でグイとつかむのがコツです。

ウチナンチューの中には、ヤシガニのすみかの穴の中に手を突っ込んで、巨大サイズのヤシガニを引きずり出す強者もいて驚かされます。観光客は間違っても真似しないように。

 

木から落とさない

ヤシガニはアダンやヤシの木の上にいることもあります。せっかくお食事中のヤシガニさんは、そっとしておいてあげましょう。運悪く、木から落ちで昇天しまう可能性もあります。

 

西表島で見られるヤシガニ観察スポット

西表島のヤシガニの周りに立つ人たち

耳切の浜

西表島北部の上原港から県道215線を白浜方面に走り、「やまねこ農園」手前を右に折れて、ペンションやレストランの多く集まる海岸方面に向かいます。

民宿「ふるさと荘」手前を左に折れて海岸に向かいます。最後は道が途切れるので、徒歩で。
人気のない遠浅の素晴らしいビーチで、シュノーケリングにはもってこいの場所です。このビーチ周辺で、夜間にヤシガニが見られます。

耳切りの浜の詳細はこちら

西表島シュノーケルツアー一覧はこちら↓

 

宇多良炭鉱跡地

浦内川観光船の乗り場の入り口から、船着き場の方へは降りず、浦内側川の小さな支流に沿ってまっすぐ進んだところに炭鉱跡地があります。県道の浦内橋付近から炭鉱まで長さ約1キロメートルの遊歩道が整備されています。この炭鉱跡地周辺に出没するという口コミがあります。

周辺部では、時期によってホタル、サガリバナ、ヤエヤマオオコウモリなども見られます。この他、島のいたるところでヤシガニの目撃情報がありますから、夜に遭遇できる確率はかなりあると思います。

宇多良炭鉱跡の詳細はこちら

ヒナイ川河口

ピナイサーラの滝へ向かう際に駐車するヒナイ川河口の駐車場からヒナイ川までのジャングルではよくヤシガニを見ることができます。ここでは、ヤシガニだけでなく、時期によってはヤエヤマヒメボタルやサガリバナが見えることでも有名です。

ヤエヤマヒメボタルツアー(2~4月)はこちら↓

サガリバナ鑑賞ツアー(5月~7月)はこちら↓

 

西表島でヤシガニに出会えるツアー

ナイトツアー西表島のヤシガニを囲むグループ

西表島でヤシガニに出会えるツアーの一つ「ジャングルナイトツアー」をご紹介します。いくつかあるナイトツアーの中でもおすすめは「夜のジャングル探検!秘密のスポットへ行くジャングルナイトツアー」。ヤシガニを始めとした西表島の珍しい動植物が見られるとして人気です。夜8時の出発でたっぷり2時間。運が良ければ、幻の花「サガリバナ」、オオヤドカリ、セマルハコガメなど、天然記念物・絶滅危惧種などが目白押しです。

中でもヤシガニは、夜に巣穴から出てくるので、ほとんどの確率でナイトツアーで見ることができます。

夜のツアーなので西表島に宿泊される方限定になりますが、当日予約可能で気軽に参加できます。ホテルまでの送迎付きで、準備するものは特になく、汚れても良い服装で参加するだけなのも嬉しいポイントです。

ツアー詳細はこちら↓

 

ヤシガニに関する学術研究

西表島のヤシガニツアーで写真撮影

ヤシガニはちょっと変わった生き物なので、その研究成果にも興味深いものが多くあります。そのうちのいくつかをご紹介します。

 

ヤシガニは陸で産卵する?

従来、ヤシガニの産卵は海中で行われると考えられていました。
水産総合研究センター西海区水産研究所石垣支所では、2008年に、ヤシガニが陸上で産卵するシーンの撮影に成功し、ヤシガニが生まれてからずっと陸生生活を続けていることが、世界で初めて立証されたのです

寿命は約50年?北限域のヤシガニの成長や寿命を解明(沖縄ちゅら島財団:2015年6月5日)

沖縄ちゅら島財団は、8年間で500匹近い個体を調査して、ヤシガニの寿命について明らかにして論文で発表しました。この論文によると、ヤシガニの成長は非常に遅く、胸長4cm、重さ500gになるまでに、オスで11年、メスでは何と25年もかかるといわれています。
寿命は雄雌とも約50年と推定されています。でも、たくさんいる個体の識別をどうやって行ったのでしょうか?

それには、ヤシガニの甲羅の模様を使ったのです。人の指紋のように、甲羅のパターンは脱皮しても変わらないので、個体識別に向いているのです。甲殻類最強!ライオンの咬む力に匹敵?ヤシガニ 驚きのハサミの力(沖縄ちゅら島財団:2016年12月1日)

沖縄ちゅら島財団の研究グループは、これまで科学的に解明されていなかったヤシガニのハサミの挟む力の測定に成功し、論文発表しました。それによると、ヤシガニのはさみの挟む力は、体のサイズや生物と無関係に、体重の約90倍もあることが明らかにされました。サイズ当たりのパワーは、他の動物とは比較にならないほどの圧倒的に強いものです。最大サイズのヤシガニのハサミの力は340kgに達し、ライオンが咬む力とほほ同じということです。

ヤシガニ800個体確認 竹富町、保護条例向け調査(八重山毎日新聞:2016年12月25日)竹富町による8月から10月に行われたヤシガニの生息調査の結果、八重山地方の石垣島と与那国島を除く有人の8島の合計で約800匹の生息が確認されました。最も多かったのは、西表島東部・西部の約330匹でした。また、由布島では生息が確認されず、小浜島、竹富島では10から20匹と非常に少ない数でした。

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おわり

ちょっと前までは、夜にヤシガニが散歩する姿がちょくちょく見られた八重山地方ですが、随分と減ってしまいましたね。寂しい限りです。あの、迫力のある姿は、正に古代からの生きた化石のようで、身震いするほどの感動を覚えた記憶があります。ぜひ、都会の子供たちにも見てもらいたい生き物です。ヤシガニを始め、イリオモテヤマネコ、ヤエヤマヒルギシジミ、ノコギリガザミ、カンムリワシなど巨大生物がいる島、西表島。東洋のガラパゴスとも称されるこの島には、一度は訪れる価値がありそうです。

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